「周りは、悪くなって行くのを見ていなくてはいけない。残酷な病気です。でも、出来ることがあるだけ良いのかな」
人が亡くなるとき、いろいろな状況があります。
その中には、周りの人が関わる時間が持てるような状況や、病もあります。
マッサージをしたり、触れることで関わることももちろんすばらしい関わり方だと思います。が、マッサージや触れることよりも長くご本人に関わる要素が他にもあります。
それが、休む姿勢のサポートです。
なくなる前に、呼吸することすら辛そうな時期がやってくる場合があります。そのときに周りが提供できる最大のものは環境を整えて、呼吸することを妨げるような要素をなるべく減らすことではないかと思います。
若いとき、元気なときには、呼吸することを妨げている要素に気が付きにくいかもしれません。
本当に辛い方に小さな枕を提供したりタオルを入れたりして呼吸の荒さが少し減るのを見るとき、ずっと動いて心地よい姿勢を探していたのが落ち着くのを見るとき、キネクラネオを知っていて本当に良かったと思いました。
それと同時に、ご家族や看護師さんがこのことをご存知だったらどんなに助けになるだろうとも思ったのです。
何度も書いていますが、看護師さんの教育カリキュラムには、キネクラネオで行われているような環境の整え方の考え方は、ありません。コースに看護教員さんが参加されることもあるのですが、ほとんどの方が、既存の環境整備との違いに衝撃を受けます(ここだけ読むと誤解されそうですが、そういう教員の方がだめという意味ではありません。むしろ逆です。学習にいらっしゃる方は、既存の教育内容に胡坐をかかずによりよい物を探求して行く姿勢を持ち続けている、熱心な方がほとんどです)。看護師さんが最良のものを知っていて、何でもしてくれるとは限らないのです(そのことは何度か書いていますが、また別に書きます)。
寝ている患者さんのベッドとの隙間にクッションを入れるのが習慣になっている看護師さん、踵に褥瘡ができない様に踵の下にクッションを入れている看護師さんは、ぜひ一度キネクラネオを学習してみてください。
また、ご家族が知っていたら助けになるかもしれないというのは、患者さんの助けになるというだけの意味ではありません。
ご家族自身ができることが増えて、悔いが少なくなるという意味もあります。
辛そうなとき、どうしたいいか分からない。
もっと辛くしてしまいそうで、触るのも怖い。
そういう気持ちになることが、あると思います。
でも、クッションを当てるとか、枕を入れるとか、日常の延長上にある小さなことでご本人を楽にできる可能性があると知っていたら、どうでしょう。
楽な姿勢を探して動き続けている方には、止まると辛くなるという場合もありますが、ある姿勢が楽だと感じて止まっても、それが維持しにくい姿勢だった場合、また別の姿勢を探すということも有ります。こういう場合ご本人は明確な受け答えが出来ないことがほとんどなのですが、サポートを入れることでしばらく落ち着いたり、速くて浅かった呼吸がゆっくりになって緊張が和らいだりしている様子が伝わったりすることがあります。
上の内容を読んで心当たりがあった方、ぴんと来ないけど気になった方。
寝る姿勢を楽にするとはどういうことか、体験しにいらして下さい。
時間・料金 3時間半6000円(税別 テキスト代500円別)
会場:江東区北砂3丁目
定員:各回5名様限定
3月10日(日) 14時~17時半
3月22日(金) 10時~13時半
3月22日(金) 14時半~18時
3月25日(水) 10時~13時半
3月25日(水) 14時半~18時
(ワークショップ紹介過去記事、初回はこちら、2回目はこちらです)
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