滑るともれなく固くなります。
その時に固くなるだけならまだしも、もっと罪深いことが起こります。
と、書きました。
何が起こるか、滑る動きだとわかりにくいかもしれないので、別の例で説明します。
「腋の下を支える介助」についてです。
キネステティク・クラシック ネオでは、介助で腋の下を支えることを勧めていません。
その理由について「動きにくくなるから」と言われたりするんですけど、実は「動きにくくなるから」では不足なのです。
今動きにくくなるからだけじゃなくて、介助を受けている方に動きにくくなる習慣、動きにくくなる癖のきっかけを提供することになるからです。
私のコースに出た方は見たことがある、衝撃の光景。
上肢が体幹についてる関節は、胸鎖関節だけです。
腋の下は、腕と体幹の交差点なんです。っていうか、交差点でしかないんです。骨ではくっついてないんです。
針金と粘土で人形を作ってるとしましょう。腋の下は、針金同士が接続していません。針金が交差している上を粘土で覆って止めています。そこを引っ張ったらどうなりますか?針金同士が接続してるとこまで粘土が割れますね。
お子さんと遊んだことのある方、お子さんを腋の下で捕まえた事はありますか?捕まえてみてください、逃げたかったら腕を頭上に挙げて逃げられます。
腋の下を介助されている方も、能力と意志があったら、逃げられるんです。逃げないのは何故か。子どもほど柔軟性が無い、というのも有りますね。でも、それ以外にも逃げ出さない大きな理由があります。
腋の下を支える介助をされている人にとって、その部分を固めることは、介助してもらうのを手伝うことなんです。
つまり、腋の下を支えることで、肩甲骨・鎖骨から腕の先までの、上肢全体を固めることをすすめている訳です。
「拘縮を防ぎたいんです」って言ってる方、介助で腋の下を持ってる時点で「今からあなたが力入れて固めないとゆるゆるの場所を私が持つから、力入れてねー!」と行動で伝えているって、知ってて介助してますか?
介助を受けている方は、同じ動作を繰り返されると、学習します。それが習慣であり癖になります。
「柔らかいところを持つと動きにくい」という、今だけのことじゃないんです。「動きにくくなるから私の介助も相手の方も楽に動けなくなる」という、自分だけのことじゃないんです。「介助を通じて相手の方に身体の使い方としては楽ではなくなる、不適切な学習を強いている」んですよ。
こういう例は、いくらでもあります。
スライディングシートを使った介助も同じです。自分も相手も楽に見えます。されるがままよりは、介助を受ける人も動くからマシに見えます。でも、昨日シェアしたさあさんの見解のような状態を外れて介助者の判断だけでスライディングシートを使う時、介助者は介助される人に、「身体を固めて緊張させる」という学習を提供しています。
キネステティク・クラシックでは、介助は学習の提供でもあると考えます。全ての接触は学習の相互提供、自分の周りの全ては学習の環境、接する相手にとっては自分自身が学習環境です。そのためにまずパーソナルレベルで自分の動きを教材にするのです。
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