冬のシニア転倒防止キャンペーン、その1が「転びにくい環境にしておこう」、その2が「転びにくい身体にしておこう・・・の前に」、その3が「転びにくい身体にしておこう・前編」、その4が「転びにくい身体にしておこう・中編」でした。今回が五回目、後編そしてとりあえず最終回です。
最終回にして最大の転倒防止法(かもしれない)です。
最大の転倒防止法、それは「緊張してたらやめる」ことです。
身体を硬くしていたら、バランスが崩れたときに対処しにくいからです。木が折れる強風でも竹は折れない、みたいな感じです。しなやかな方が立て直しが聞きます。
「緊張してたらやめる」。
書くと簡単ですが、実際やってみると意外と簡単じゃないかもしれません。
転ぶかも!と思う→緊張する
前痛かったからまた痛いといやだなあと思う→緊張する
私の歩き方変じゃないかしらと気になる→緊張する
先生にじっと見られている→緊張する
背後から突然大声で話しかけられる→緊張する
「転ぶと危ないから!」と、誰かに腕とかをぐっと掴まれる→緊張する
今痛い→緊張する
・・・と、今まで見かけた実例だけでも緊張する場面は山ほどあります。
そういうとき「力抜いて!」といわれると、また緊張します。
これ、象のたとえでありますよね。「象を絶対思い浮かべないでください」って聞いたら、人は聞いた瞬間に、象を思い浮かべます。
「力抜かなきゃ!」と思った瞬間に、力は抜けなくなります。
こういう時のよくある対処法が、「まず力を入れて、抜く」。ぎゅーっと全身に力を入れて、すとんと抜いてみましょう。
あとは、自分が今やってることだけに注目して、他の事は無視する。
転ぶかも、前痛かったからまた痛いといやだなあ、というのは、今現在じゃないことです。
私の歩き方変じゃないかしら、先生にじっと見られている、背後から突然大声で話しかけられる、は、他の人のすることです。
無視しましょう(大声は無視しにくいかもだけど)。
人に掴まれたら自分が緊張するようなところを掴まれたら、断りましょう。
今痛いのは辛いですね。そういう時、「ちょっとだけでも痛くなく動くやりかたはあるかな」と試すのは、結構役に立ちます。
ひとつ実例を書きます。
膝が痛い方がいました。普段は何メートルか歩くと痛くて立ち止まって休むような方です。
ある日、友達と出かけました。ひさしぶりに会った友達です。楽しくおしゃべりしながら歩いていました。気が付いたらいつもの何倍も歩いていました。
しかもどこも痛くなかったし、翌日筋肉痛になったりもしませんでした。
これは極端な例ですが、自分が作っている緊張が自分を辛くしていることは、思いのほか多いです。
転倒防止の話は、ひとまずこれでおしまいです。
みなさまのご参考になれば嬉しいです。
*箇条書きまとめ*
・スリッパを履かない!
・段差をなくすか目立たせる!
・床に物を置かない!
・足首を回しておく!
・足の部分を触って動かしておく!
・緊張しない、させない!
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。
シニアだけでなく、みなさまの転倒防止や日々の動きを楽にするために、ご活用いただければ幸いです。
転倒防止講座、11月の日程を追加してあります。または、最新の予定のリクエスト開催可能な日の中からもお選びいただけます。
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おおーっ,素晴らしい.まだお若いのに老人の特徴をよく理解していらっしゃる.
すでに老人になった先達からおひとつ伝授します.
わたしは,転びそうな方が入院したときには,「転び方」を教えます.「転ばないように」と思うと緊張して,高い位置から転びます.ケガが大きい.低い位置から転ぶと怪我が少ない.柔道の受け身では更に回転を加えていますね.
実際は「転びそうになったら,しゃがんでね」とお願いします.そして,しゃがむ練習をする.股関節,膝関節,足関節,できたら趾の関節も曲げてしゃがんでもらうと最高です.
キネステティク・クラシック.ネオなら「普段使わない下肢のマスを使えることを思い出してもらう」というかもしれません.
さあさん、お出かけ中なのに(推測)ありがとうございます!
転倒のこと、今まで出会ったご年配の方が身を以って教えてくださいました。
想像しただけでは分からない、体験したからこそのお話・・・キネステの分析が加わって、広く皆さんのお役に立つものになるといいなと思います(なるはず)。
さあさんのコメントも明日にでもブログに引用してしっかり世の中にお知らせします。
コメントだと読まれないかもしれないので・・・転び方大事ですね。転ぶ=悪いわけではなくて、無事に地面に着地すればいいんですもんね。