骨谷さんの話・その1「寒い」

突然ですが、諸事情により骨谷氏の出てくる小話を書くことにしました。諸事情とは今日が寒かったことと、今日ちょっと骨を軽視する発言を聞いたせいです。
骨大事。と思っていただければ幸い・・・と言いつつ、一話では骨別に大事じゃなかったです。
身体のことは何かしら知れると思うので、まあいいですね!
今日は書いた動機が「寒い」なので、ろくなことが書かれてませんけどね!
では、ろくでもなくてもよろしければ、どうぞ!
*     *     *

寒い。
小雨が時折降る東京都臨海部、海風も吹いていて本当に寒い。
今朝の天気予報によると、今日の東京は12月並みの寒さだそうだ。
「骨谷さん。」
「何ですか、助手。」
こんなに寒いのに、骨谷さんはいつもと全く変わらない。防寒着を要求することも無ければ、暖房を入れてくれと騒ぐこともない。それどころか、顔色ひとつ変えていない。
「骨谷さん。」
「ですから、何ですか、助手。」
「・・・そんなにスッカスカで、寒くないんですか。」
そう、骨谷さんは骨格模型なので、骨しかなくてスッカスカなのである。髪の毛や脂肪はもちろん、筋肉すら付いていない。風通しがたいへん良さそうである。
「・・・助手よ。」
「はい。」
「君には耳があるね。」
「はい。」
そりゃあ私は人間だから、耳はある。あるに決まっている。
ちなみに耳を形作っているのは軟骨だから、骨谷さんには耳っぽいものは、側頭骨の穴しかない。
「せっかく耳があるのだから、耳の穴をかっぽじって、よく聞きなさい。」
そう告げられた私は、骨谷さんへの返事の代わりに、言われた通りに耳の穴「冷たさを感じる受容噐はどこにあると思うかね?」
「皮膚ですね。」
「そう、皮膚の自由神経終末付近にあると言われているね。ちなみに温覚よりも冷覚の受容器の方が数が多い。」
私は骨谷さんの説明を相槌を打ちながら聞く振りをしていたが、途中から考え事をしていて、ほとんど聞いてなかった。
自由神経終末の自由って神経にかかるんだろうか、終末にかかるんだろうか。自由な神経なのか、自由な終末なのか。っていうか自由な神経とか自由な終末ってどういうのだ。終末は終末だろうけど週末だったらいいな、自由な週末・・・楽しそうだ。
「助手、聞いていたかね。」
「聞いてました。」
骨谷さんに聞かれたので妄想をやめて返事をした。
嘘は言っていない、聞いていた。前半は。
「・・・ということで、骨には温度を感じる受容器は無い。なので、私はスッカスカでも寒くないのだよ。」
なるほど。勉強になった。
骨谷さんは偉そうなので、私は骨谷さんは骨なんだと言うことを、時々忘れてしまう。まあ、偉そうなのには、ちゃんと理由があるのだが。
骨谷さんが偉そうな理由はまた別の話ということで、本日の骨谷語録:

「温冷覚を感じているのは、骨ではない」

以上。


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