前半の、運動能力テストには出てこない能力、続きです。
まず、すごい簡単な例。階段をどんどん音を立てて上る人がいました。周りの人はうるさい上に、木造の階段とはいえ、そんなに踏みしめていたらいつか身体に痛みが出る可能性があります。周りにはすぐわかるけれど、注意してもなかなか本人は気付きません。気付いて気をつけるようにしたのが私、気がつかないのか直す気がまだ沸かないのかで、そのままなのがうちの下の子です(上の子はそういう訓練が出来ているのでしません←そういう訓練が何かは機会があったらまた後日)。
もうひとつ、他の人の、介助関係の例。
しばらく臥せっていて、歩くのが難しくなった方がいました。
支えがあれば、なんとか一人で立って、立った姿勢を維持できます。
「歩く練習がしたいです」と言われたので、歩行器を支えにして、片足で立ってもらいました。片足はなんとか上げていられますが、もう片足は、数秒しか持ちません。「まずは、こちらの足でも体重を支えられるように、片足で立つ練習をしてみましょうか」とお話したところ、「他の先生は歩かせてくれます」とおっしゃるので、やってみてもらいました。
上がりにくいほうの足は上がりません。比較的動く方の足を使って、ひきずっています。
・・・というようなことが、過去に何度かありました(上記は複数の方の話を混ぜています)。歩けた!という心が良い効果を生むこともあるでしょう。でも、これは、本当の意味で言うと、歩けていないです。この「歩き」を続けると、いろいろな弊害が出てきます(長くなるので、ひとつだけ実際にあったことを書くと、しばらくして上がっていたほうの足が痛み出し、上がらなくなりました)。
歩くためには順番があります。赤ちゃんを見ていても分かりますよね。突然立って歩くのはお釈迦様だけです。立って歩くためには、1.立った姿勢が維持できること、2.片足立ちができること、3.片足立ちのときに浮いている方の足を今まで置いていた場所とは違うところに置くことができること、4.もう一度両足で立った姿勢に戻れること、の4つが必要です。これらは自力で全部出来なくても構いません。誰かに手伝ってもらってでも、立位が保てて、片足立ちが出来て、足をどこかに置けて、また立位に戻れれば。
なので、本当なら、片足立ちが出来ない方が歩行したいとおっしゃった場合、片足立ちを支援する介助が必要になります。上に書いた4つを、ゆっくりでもいいし、人の手や器具の支えを借りてでもいいので、できるようになる。それが、歩くことの練習です。以前自分がやっていたように、無意識で足が出てどこかに行く練習は、歩行の練習ではなく、歩行に似ている何かの練習です。
歩行のシステムは、人が長い間かかって獲得した、人のデザインに沿った無理の無い動きの基本です。それをすっ飛ばしてみた感じ似たことをすると、どこかに無理が出たり、負担がかかります。
以上、体力テストで言及されていたので歩行を例に挙げましたが、何をするにも、まず、自分が何をしているかを知る必要があります。それをしないで、闇雲にやりたいことに向かうのは、結果的には遠回りになります。
昔の人も言ってますよね、「汝自身を知れ」って。
古代ギリシアから既に言われてたってことは、人類は四千年弱似たようなことを言ってる訳ですね。いろんな意味ですごいです。
(画像はWikipediaから拝借)
はい、ここで宣伝。
汝の動きを知るには、キネステを(そして人生の方向を知るにはウェルスダイナミクス、服装を知るには花鳥風月ファッション診断を←SEO対策的便乗)
ほんとは別にヨガでも瞑想でもいいんですけど、キネステだと一発でいろんなことがすみますよ。キネステは、動きのワンストップショッピングや~(byつか麻呂←いいなこれ。次のタイトルはこれにしよう)