高齢者の食欲が落ちるのは、仕方が無いことなのか(「姿勢を良くして食べる」の誤解)

「姿勢を良くしてご飯を食べる」。
子供の頃からよく言われることのある言葉ですね。
でも、「姿勢を良く」ってどういう状態なのか、というところまでセットで言われることは、少ないはず。
せいぜい「背すじをのばして!」とか「椅子の背もたれによりかからないで!」とか「肘を付かないで!」くらいでしょうかね。
そして、それらはいずれも、「お行儀が悪い」という社会規範の範疇でされる注意です。

先日、高齢者の食欲が落ちる、という映像を見る機会がありました。
で、それは、

「高齢者じゃなくて私でも、そんなんじゃ、食欲は落ちます・・・」

と言いたくなる映像でした。
出てくるかたがたは必死です。
一生懸命食べようとするし、食べさせようとするけど、「もう食べられない」。
・・・切ない。
キネステが、っていうか、キネステじゃなくてもいいから、食べ物を食べやすい姿勢ってどういう姿勢なのか、誰か知っていたら、もしかして映像に出てきた方は、もう少しご飯が食べられたかもしれない。
でも、今の看護教育でも、介護教育でも、嚥下を担当する医療従事者であるST(言語聴覚士)の教育でも、標準的なカリキュラムでは「食べ物を食べやすい姿勢ってどういう姿勢なのか」は、教えられていません。

もちろん、食べやすい姿勢をとったからといって、食べられるかどうかは分かりません。
でも、環境を出来るだけ整えて、それでもダメなら仕方ないけど、食べにくい姿勢にしておいて、食べられなかったら「本人の食べる力が弱ってるから」と決め付けられるのは、切ない。

この切ない現状、どうにかならないものだろうか。
実際に姿勢を変えて食べられるようになった話がキネステ関係者の周りにはごろごろ転がっているだけに、歯がゆくてなりません。


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