先日の、高齢者向けリハビリとフィットネスについての記事の続きです。
高齢者向けの運動であっても、現在の主流は、「筋肉を鍛える」のようです。
指導を受けている方のお話を聞く限り、太ももの筋肉を鍛えるとか、腹筋を鍛えるとかが行われていることが多いみたいです(すみません、通ってる方からの又聞きなので伝聞形で)。
でも、筋肉って、そこまで鍛えないと、どうしようもないんでしょうか。
筋肉を鍛えるというよりも、存在を忘れていて使うことを忘れているのを思い出して動かしてみるとか、動き方を勘違いした癖が付いてるからその癖をやめてみるとか、そういうことで動きが変わることもあるんですよね。
そして、記事の中を良く見るとですね。
「激しく運動する機器の設置は抑え」とあります。
あと、「飲食や休憩など利用者同士の交流を促すスペースを充実する」。
普段接していて思うんですけど、高齢者の方の大部分は、運動はしなきゃいけないと思っているけど、きつい運動はしたく無いんですよ。
だいたい、今まで運動しなかった人が、高齢になったからといって、熱心に運動するとでしょうか。
必要に迫られればしますけど、そうでなければ大変なことは避けたいのが、高齢じゃなくても特に運動習慣が無い人だったら、よくある傾向ですよね。
勤務先が設置しているリハビリ特化型デイに集う方を見ていると、女性は、現状を維持できる程度の、そこそこの運動をして、あとはのんびりお茶でも飲んでおしゃべりしたい方が多いです。
男性は、普通のデイサービスで時々あるように何もできない老人扱いはされたくなく、子供だましのレクリエーションには参加したくない、でも家にずっと居るわけにもいかない、運動指導も受けられてお客様扱いされるような所なら今までの日常の延長上にあってプライドも傷つかないし、行っても良い、みたいな感じです。
記事に書かれている、
「激しく運動する機器の設置は抑え」、
「飲食や休憩など利用者同士の交流を促すスペースを充実する」
というのは、上に書いたリハビリ特化型デイに集う方の気持ちをよく捕らえていると思います。
そのほか、大型のショッピングセンターの中に設置して、短時間の利用も可能にするという立地も、運動への心理的な負担が少なく「ついでにちょっと運動してみようかなー」という需要がありそうです。
ということで、新聞記事や日頃の実感から、高齢者の方の運動には
・気軽に
・きつくなく
・楽しく誰かと交流したりしながら
・運動したという実感はそこそこ味わえて
・楽になる
というあたりが求められているのではないかと思うのです。
そこに持ってくるなら、筋トレも行いながら、楽しく行える範囲の無理の無い動きで日常が少し楽になるようなものも入れてみるとより良いんではないでしょうか。
ということで、高齢者への運動指導を行う際は、今まである運動指導に、楽しく行える範囲の無理の無い動きとは何かを体験しながら学習し、日常が少し楽になるかもしれない、キネステティク・クラシックの考え方も、ぜひ取り入れてみてください。
今までの動きになかった(というか、成長とともに忘れていた)、力を使わず省エネで動くような動きを、楽な動きのバリエーションとして、提案することができます。
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