私たちは、自分の体の使い方を知りません。
言い切りましたね。言い切っていいのか。
でも、知らなくないですか。教わってなくないですか。
教わっていないのは、私だけ・・・じゃないと思うんですけど。
キネステのコースでいろいろなかたと話しますが、看護師さんでも「こういう、体の動かし方についての話をならったことは、ありませんでした」と、よくおっしゃいます。
私たちの多くは、成長するときに、周囲の人から見様見真似で、体の使い方を学びます(余談ですが、しぐさや身体の癖が親と似たりするのは、遺伝よりむしろ見様見真似学習の影響の割合が高いらしい)。
センスがある人は良いんですよ、それでも。
もしくは、見様見真似のモデルとなる周りの人に、体の使い方についてのセンスがあった場合とか。
で、自分にセンスが無く、モデルも普通で、環境も身体を動かすことにそれほど向いていなかった場合、私のように、体育2のどんくさい人が育つ可能性があるわけですね。
そうすると、介助のときに「やらねばならないと思ってること」に意識が向きすぎて自分の身の置き所が頭からすっぽぬけて、車椅子からベッドに移動してもらおうとしているはずの祖母の足を踏んでしまったりすることがおきるわけです(実話←天国のおばあちゃん、その節はすみませんでした)。
身体的な技術は、有る程度の年齢までは、身体だけで身につけることが出来ます。
でも、大人になってから初めてやる身体技術は、理屈と同時に入れた方が身につくことが多いです。
大人は、頭が納得しないと、体が納得してくれないからです。
キネステは、日本には介助の技術として入ってきて広まりつつありますが、もともと自分の身体を動きという側面から知っていこうとする技術です。
パーソナルレベルではまず、自分の身体、自分の動きに目を向けます。
自分の身体の使い方を知るためにもぜひ、キネステティク・クラシックを体験してみませんか。
・・・と、書いておいて、なんですが。
実は、身体の使い方を知っただけでは、適切な介助をするには、不十分なのです。
この記事、次回に続きます。