介助する人を引っ張ると固くなる、介助をすると「痛い!」って言われる件・その1

昨日のブログに、「(介助する人を)引っ張ると固くなるんですが、その説明をしたら納得して頂くまでがとても長くなりそうだったので」と書いたのですが、せっかくのなので、書いておきます。

昨日のブログのように、人を介助する仕事についている方から、ときどき、

「介助すると身体を固くされてしまう」
「痛い介助をしているはずがないのに『痛い』って言われる」

と、愚痴とも世間話ともつかない感じで、言われることがあります。
たいてい、身体を固くされちゃうのよ!とか、痛いって言うのよ!とか聞くんですが、それ、多分、違います。

あなたの介助が、相手の人を固くしてるんです~、
そしてほんとうに痛く感じられるんです~

キネステの概念の中で、「インタラクション」というものがあります。コースの最初の方にそのインタラクションの中から一部を体験していただくのですが、そのときに、「介助する側の状態が、される側にどう影響するか」を出来るだけ必ず入れるようにしています。
最初の部分は体験会として行うことも多いので、ここでぜひ実感として味わって欲しいのです(コースではなく、体験会しか参加しない方にも知ってもらいたい)。
二人以上居たら実験できるので、機会があったら、試しにやってみてください。
一口で「介助する側の状態」といってもいろいろあるのですが、とりあえず思いついたやつを書いてみます。

肘掛の無い椅子を横に二脚並べ、二人で並んで座ります。
ひとりが介助する役、ひとりが介助を受ける役。
二人とも自力で立つのですが、介助をする役の人は、次の二つのパターンで介助を受ける役の人に関わってみてください。
 1 わきの下に手を入れて抱え込んで、一緒に立つ
 2 相手の手を自分の手の上に乗せ、お嬢様お手をどうぞ状態で一緒に立つ
終わったら、役割を交代して、逆の役もやってみましょう。

介助される役のとき、二つのパターンでの立ちやすさの違いはどうでしたか?
また、介助する側の役のとき、二つのパターンでのお相手の動きから感じることは、変わりましたか??

これは、介助する側の「すること」が、相手に影響する場合ですね。
ほかに、声をかけずに突然見えないところからばっ!!と触れたり、触られたらイヤなところに許可無く触られたり、というのも、することの影響です。

それと、もうひとつ。
何回も書いたかもですが、私が前にマッサージの師匠に言われた、「つかむな!!」です。
人間と一部の霊長類にだけある、母指対立筋という筋肉があります。人間のつかむ、つまむという運動の大半はこの、主に親指と人差し指(人差し指以下の指でもだけど、一番顕著なのは人差し指)の筋肉を使って行われるのですが、これでつかまれると人は振り払いたくなるという・・・(その理由は長くなるので、知りたい人はキネステのコースに来てね~♪)。
そして、母指対立筋の把握で保持されると、痛いんです(その理由は以下略)。

ということで、長くなったので、今日書いた分をまとめると、
 ・介助するひとの「すること」が、介助される人を固くする場合がある
 ・親指と人差し指に力を入れてつかまれると、痛い場合がある
です。
相手が固くなったり痛いっていったりしたら、まず、自分のしていることを観察してみましょう!
観察するには、キネステがもんのすっっっごくお役に立ちますよー!!!

書いているうちにもうひとつ書いておこうと思ったので、明日はそれを書きますね。

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