トイレを楽にする、手すり以外の選択肢

キネステのコースでは、「どんな動きが楽になったらいいですか」と最初に聞いて、そこで出た動きをコースの中で取り上げていったりします。
その時に上がりやすいのが、トイレ、お風呂、車椅子⇄ベッドや椅子の乗り移りだったりするのがすが、今回は、トイレについて取り上げてみます。

最近のトイレは、ほとんど洋式ですね。なので、洋服の上げ下ろしなどプラスされる動作はあるにせよ、やることは車椅子⇄椅子の介助に近いのですが、それでも特別に大変な動作として、上げられることが多いです。何故だか分かりますか?
理由のひとつは、トイレは、っていうか日本の家屋の大半のトイレは、空間に制約があるからです。ぶっちゃけて言うと、狭いからです。
ある程度広さがあるトイレなら(たとえば、最近の「誰でもトイレ」みたいに、トイレの中に車椅子で乗り込めるものを想像してください)、やることは車椅子⇄椅子の乗り移りとほぼ同じです。車椅子を便器に寄せて、立ち上がり、衣服を下ろし、トイレに座り、用を足します。このとき、便器にどういう角度で寄せるかとかどのくらい寄せるかとかはまた別の問題になるので省きますが、とにかく、乗り移りが楽な距離、楽な角度で寄せられるだけのスペースがあるということがポイントになるわけですね。

・・・ですが。
普通の家庭のトイレは、そこまでひろくありません。
そこまで広くないどころか、車椅子ではない、歩いてトイレに入ってひとりで用を足せる人間にとってもたまに「狭っ」と感じることもあるくらいです。車椅子を楽な角度と距離につけるなど、到底無理な話です。
そういうときに使われる福祉機器として、手すりがありますね。トイレの壁に取り付けて、立ち上がったり、座るために向きを変えたりするための手がかりとして使いましょうというわけです。

・・・ですが。
ちょっと待って。
トイレ、狭いんですよね?
狭いトイレの壁に手すりを取り付けたら、空間はもっと狭くなりませんか???
手すりは、一度つけたら簡単に取り外しが出来ません。そして、人によって使いやすい手すりの位置が違うので、おじいちゃんのためにつけた手すりをおばあちゃんも使おうとしたら何だか使いにくかった、ということが有り得ます。

それでは、手すりの欠点を補うような補助具として、どんなものがあったらいいでしょうか。
・・・って、私の話を聞いたことがあるかたやコース・体験会などにでたことのあるかた、澤口先生の『アウェアネス介助論』や『超訳 支援と学習のキネステティクス』を見たかたはご存知かもしれませんので書いちゃいますが、お勧めは、

椅子もしくは踏み台みたいな台

です。

使いやすい高さは人によって色々だと思うので、踏み台とか風呂椅子とか低めの椅子とか(人によって色々とはいえ、便座より高いものは使いにくいです)、とりあえずおうちにあるものを試してみていただいて、必要だったら福祉用具ではない普通の椅子やら踏み台やらを、買ってもらいます。
具体例として、トイレまでたどり着ければご自分で排泄はできるかたが、一度手すりもつけちゃったのですが使いにくいということで、お話しておうちにあった丸椅子を、トイレの一角に置きました(一般的な東京のマンションのトイレよりは若干広いので、椅子を置きっぱなしに出来ています)。トイレの入り口まで車椅子で移動、トイレの中においてある椅子に手を着いて、一旦便器に腰掛けます。椅子をその場で立ち上がりやすい位置にずらし、そこに片手ずつをつきながら衣服を下ろし便器に座って排泄、椅子に手をついて立って衣服を整え、車椅子に乗り移りやすい位置に椅子を移動して乗り移り・・・の前に、椅子に座って一息ついたりしていることもあるらしいです。
以上、最初一緒に説明しながら着衣のままで何度か練習をした後は私は実際の動きは見てないので聞いた話と想像ですが、特に困ったことも無く便利に使えているようなので、トイレの椅子はきちんと役目を果たしているようです。

ということで、トイレを楽にする手すり以外の選択肢として、椅子または台をおすすめします。何より、もし役に立たなかったとしても、どこかに移動して別のことに使えるのがいいですよね。手すりだと、こうは行きません。
お困りの方がいらしたら、まず身近にある台で試してみていただきたいと思います。

試し方が分からない方は、体験会にぜひお越しください。
2016年1月23日  キネステ体験会(東京・新小岩)


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です