昨日の記事について、フェイスブックに友人から、最近腰が痛いからヒントになりそう、ありがとう！というコメントをもらいました。
彼女は私が教師になるときの教育実習を受けてくれたうちの一人で、介護とは関係の無い立ち仕事の多い職業に就いています。
コースを受けてくれた人なので、フェイスブックのコメント欄にキネステ用語を使って返信したのですが、これ、ブログ全体でやったら面白いかもしれないなあと思いつきました。
キネステ用語が？？？な方にはなんじゃそりゃ昨日と同じじゃないのかもしれませんが、もしよかったら暇つぶしにどうぞです。
ちなみに、青い部分は言いかえが必要なさそうな部分です。

先日マッサージをしていたら、足が気になってよく眠れない、という相談を受けました。
女性の方で、腰痛で、片足がしびれるときもある。横向きに寝るのが楽なので、そちらの足を下にして寝ている。すると、上になっている足の重みでしびれが起こってぐっすり眠れないのだけれど、逆向きに寝るのは姿勢的に慣れていない、というお話でした。

・・・おお！これはまさに、キネステの「環境」の出番ですよ！！

キネステの「環境」という項目は、全部の過程をやり終えた最後あたりに出てくる項目です。なぜなら、それまでに学んで身についてきた概念をフルで使ってあれこれやってみることが必要になるからです。
この、眠れない方の場合、下の足がしびれるのは十中八九、寝ている間ずっと上の足のマスの重さを受けているからです。ということは、下の足に上の足のマスの重さがかからなくなればいいのかもという仮説が立てられますね。
そこで、まず、両足のマスをひとつずつばらばらにします。
このとき、上の足のマスが前にくるのが楽な人と下の足のマスが前に来るのが楽な人が居ます。今回は上の足のマスを前に出したいとのことなので、それで試してもらいます。下の足はたぶん楽になったでしょう。
では、上の足は？上の足のマスの重さは直接支持面である布団に降りるようになりましたが、この状態だと足のマスが骨盤のマスを引いてしまっています。この状態を楽にするには、どうしたらいいでしょう？

ひとつの解決策として、なにか枕になるものを上の足の下に入れ、足のマスが骨盤を引かないようにする、というのがあります。
「なんだ、そんなこと？」
はい、そうですね。そんなことなんです。二つの足のマスをばらばらにして、どちらのマスの重さもそれぞれが支持面に直接降りるようにして、足のマスが骨盤のマスを引かないように支える枕を入れただけです。
けれど、それをキネステ的に見ると、そこには、言葉で説明できる理由があります。しかも、

「最初に足を重ねて横向きに寝ていたとき、楽ではなかった理由」
「足をずらしたら、下の足が楽になった理由」
「足をずらしたら、上の足が楽ではなくなった理由」

・・・の、それぞれの理由があります。それらの理由を言葉で説明することを、キネステでは「概念を使って分析する」といいます。
そして、その分析に基づいて、最終的に「横向きで寝るために楽な環境を整える」ことを試みることができるようになります。
この分析は、たとえば「横向きに寝るときには、足を何度の角度にずらして膝を何度の角度に曲げ、上の足の下に何センチの枕を入れましょう」というような、ノウハウではありません。横向きに寝ている状態が全体的に心地よくなるように、足だけでなく全てのパーツが楽かどうかを検証して環境を整えることが出来ますし、横向き寝に限らずどんな状況でも、概念を使って、その時に可能な限りの心地よい環境を提案することが出来ます。

・・・いかがでしたか。若干ですが、説明が短くなっています。
なるべく元の文の言い換えにしようとしたので、一からキネステ用語で書いたらもっと短くなったかもしれません。自分ですごく短くなった感じがするのは、「足のマスが骨盤のマスを引いてしまっている」という部分です。これ、「マス」というキネステ用語を使わないと、「上の足は重さは別にどうでもいいんだけど、骨盤から急な角度でお布団に降りるようになりました。今までは足の上に乗っていて、上の足としては割と快適だったのに。」という、冗長かつ状況がよくわからない文章になっています。
というように、キネステは動きや重さの現状に関する説明をしやすい用語の定義が成されているんですね。既習の人なら「足のマスが骨盤のマスを引いちゃってる」といわれただけで、どうなってるのか分かると思います。
そんなふうに、動きや体の状態を、人に伝えたり記録したり分析したりするのにも、ぜひキネステを。動きを記録するために使うことが出来る、便利な言葉を手に入れましょう。

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２０１５年１２月１９日　キネステ体験会（東京・新小岩）
２０１６年１月２３日　　キネステ体験会（東京・新小岩）

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