キネステについて、とある方から質問されました。質問してくださったかたからOKを頂きましたので、他の方の参考に、かいつまんで記事にしますね。質問してくださったとある方、どうもありがとうございましたm(__)m
キネステと、他のある介護術についての違いについての質問でした。
その介護術の勉強会には私も参加したことがあったので、お返事してみました。以下、お返事の概略です(公開のために、いろいろ編集してあります)。
・・・私見ですが、大きく違う点は、持ち上げに代表される「筋肉を緊張させるような体の使い方」をしているかどうかと、相手を動かしているかどうか、じゃないかなーと思います。
筋肉を緊張させるというのは分かりやすいと思いますが、相手を動かしているというのは、分かりにくいですかねー。
相手を動かしてることというのは、いろんな意味がありますが、キネステで取り上げる大きな意味は、人間の自然な動きではない動きを押し付けないということです。コースで、今広くやられている立ち上がりの介助と、キネステの介助を比べる体験をしますが、前者と後者では介助者の立つ位置が違います。
前者は、介助者が目の前に立ちます。その状態では、介助される人は自分ひとりで楽に立ち上がることができません(※やってみてください、人に立ってもらう代わりに壁の前ぎりぎりに椅子を置くと、ひとりでも体験できます)。
たとえ介助される方が、前者の介助に慣れていて、人に体を委ねることが上手でも、自分で立てればじぶんひとりで立つでしょう。人間の体の構造としても、その方が自然です。この、介助とは被介助者の体を介助者が動かしやすいように動かすものだという前提が、キネステの考え方と相容れないものだと思います。キネステは、被介助者が動くために不足している資源だけを介助者が提供することで、まるで被介助者本人が自分で動いているかのように感じられる介助をする、というのが基本なので(できてるかどうかはアレですが)。
ですが、実際の現場では、今の状況での自分に役に立つものは、なんでもうまく使っていけばいいんじゃないかなーと思います。
キネステは道具なので、他の道具と一緒に使いたければ一緒に使うこともできるし、キネステは分析ツールでもあるので、他の道具をキネステで分析してみるのも面白いんではないかと思います。
道具はたくさん持ってて、手段はたくさん知ってて損はないです、今どれを使うのが今の被介助者さんと自分にとってベストなのかを見極めることが出来るなら。
「神よ、変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気を、われらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、識別する知恵を与えたまえ。」
ってやつですね(´▽`)?
ちなみに、キネステだけで言えば、変えられることが出来るのは自分、変えることが出来ないのは相手、相手の出来ることと自分が手助けしなくてはいけないことを見分けるのが分析で、使う道具は概念です。
これブログに書いてもいいですか?思いつきで書いたわりにいいこと書いた(笑)差し障りのないように、編集を加えた上で(^◇^;)
文中に出てきた、立ち座りの介助の体験が出来ます。
詳しくはこちらからどうぞ。