お誕生日でした。
お誕生日イベントの件は改めて書きますが、今回決意したことがあるのでそれを書いておきます。
すごく長いです。
着物、民族衣装とは何か、和服、そういうのが好きな方だけ読んでください。
タイトルに書いちゃったんですが、着物を綺麗じゃなく着ようと思います。と書くと、みんなが真似したくなるように綺麗に着たらいいのにと言われそうですが、私はそうでは無い選択をすることにしました。
目指しているのは、「あれでもいいんだ」です。
私の和裁の師匠は、実は三人いらっしゃいます。
二十代の頃、老後は着物を着たいと思ったりなんだりして最初に習った先生が一年も習わない内にご高齢で引退されたので(当時90歳近かったと思う・・・)その先生のお嬢様に十年近く習いました(といってものんびり習ったんで身についたかと言うとそこそこです)。現在小袖を教わっている吉房先生で三人目。
全員、普段から和装。
色々縫いました、縫い方憶えてないけど。単衣、袷、コート、道中着、帯は名古屋帯と袋帯、作り帯、肌襦袢、長襦袢は袷と単衣で、子供の一つ身、四つ身、被布(三歳の祝着です)、子供向けの柄のモスリンのちゃんちゃんこ、男物のアンサンブル、女物のアンサンブル、男物の浴衣、女物の浴衣・・・いっぱい縫ってる!!(縫い方憶えてないけど)。
それを着てるかと言うと、着てない(爆)なんでかというと、大変だから。
着るのが大変、着てるとき汚さないようにするのが大変、脱いだ後の手入れが大変、物品がいっぱい必要、などなど。
でも、家にまだ縫ってない反物が有るんですよね。
なのに、今まで縫ったものも着てない(爆)
着物を老後に着たいと思った動機が布マニアだからなので(だから家には昔骨董やさんで買った銘仙とかお召しとか、今はあんまり作られて居ない着物がいろいろ有ります、布マニアだから)、ぶっちゃけ布が着れたらいいんです。でも、着物の布で洋服にはあんまりしたくない。
ということである日小袖の吉房先生を知って習いに行き、私の目的は達成されたかに見えました。
小袖生活を教えて頂いた事で、「大変」の大半は解消しました。
・着るのが大変 家に帰ると着物に着替えるお父さんを知っていますが、お母さんは知りません。たんすに山ほど着物が有る着物好きでも、なくなる寸前まで着物を着ている女性の方は今は少ないですよね。女性は、家で着ないんです。なんで着ないかと言うと、家事をするから。着方もあるけどそこは略して構造だけ言うと、おはしょりがあって袖が長いからです。邪魔!小袖はおはしょりが有りません。袖もじゃまにならない袖です。
・着てるとき汚さないようにするのが大変 化繊とか、洗える着物もありますが、袷の着物にした時点で、普通は家では洗えません。袷というのは表と裏をくっつけてあるんで、その両方の縮み方が違うと、着物がひきつれます。小袖は、基本単衣だけです。寒かったら重ね着。そして基本が木綿。家で洗えます・・・しかも洗濯機で洗える。
・脱いだ後の手入れが大変 着物は生き洗いか洗い張り。洗い張りは解いてつないで洗って縫い直すので、現在家でする人はほとんど居ないでしょう(昔はしてた)。小袖は洗濯機で洗えるので洋服と変わりません。干す場所が広めに必要だけど。
・物品がいっぱい必要 小袖の下に着るのは半着と裾よけというものです。長襦袢と肌襦袢では有りません。で、全部洗濯機で洗えます。他に必要なのは帯(これも洗える・・・)と腰紐二本。以上。
コーリンベルトとか伊達締めとか帯板とか帯枕とか帯締めとか要りません。
ザ・簡単。
お断りしておきますが、小袖は、普段着です。正装じゃないです。
なので正装の着物と同じ土俵には上がれませんが、普段着でいいならこれで良いじゃないですか。
で、普段着なら、綺麗じゃなくてもいいじゃないですか。
洋服着てる人が全員きっちり綺麗に着てますか?
違うよね?てきとーに着てる人も居るよね?
じゃあ着物だっててきとーに着てる人が居てもいいよね?
むしろてきとーに着てる人が居ない服の分野は、衰退分野です。母数が多かったら、変なのが居て当然なわけです。それを排除しようとすると、母数を減らすことになります。
ってことで、私は残りの人生、着物をてきとーに着る!!と誓いました。小袖もですが、ほかもてきとーに着る!!っていうか普通に着る!!
吉房先生レベルは無理かもしれないが、衣類の選択肢の一つとして着る!!(先生は「小袖はワンピースと同じ感覚~」とおっしゃる)
ということで、今回お誕生日旅行に着て行きました、札幌に(爆)
スマホのインカメラが壊れてるので自撮りできず、六花亭の店員差が取ってくださったこれだけが証拠(なんの証拠)。
これ、上着を着ています。本来のマナーだと駄目かもですが、寒かったのと微妙に帯が崩れてたんですみません的に着ています、すみません(このあと脱ぎました)。そして、襟元が崩れています。そして、髪が乱れています(昨日札幌風吹いてたんで)。
非常に「これでもいいんだ」感あふれる写真です。
実際昨日はうっかり勘違いして搭乗手続きぎりぎりになり空港を走り、広大な円山公園と北海道神宮をさまよって藻岩山に登り(昨日の歩数が二万六千歩でした)、ソフトクリームを垂らしそうになり、強風で着物がめくれそうになり(そうになっただけ)、持ってたバッグは3wayでリュックにしたり斜めがけにしたり・・・すごい「これでもいいんだ」感。
これからも、これでもいいんだと思われるように、着物や着物っぽいものを普段着的に着たいと思います。
はい、「着ると決めた」。どんなに作っても習っても着なかったら着る人生は永遠に来ないので、これで目的達成です(多分ね)。
皆さんの前に「え、それいいの」みたいな感じで現れることがあると思いますが、温かい目で見ていただければと思います(そもそも洋服だったらなんか変わった着方してても、よっぽど変じゃなければ言わなくないですか)。あ、帯がほどけてたら教えてください。
ちなみに「これでもいいんだ」で札幌に着て行こうと思ったのは、インドの民族衣装をきた人をよく見るんですけど、着物着た人はきっちりした人を時々見るだけで見ない!そしてこの前下駄を慣らそうと洋服に下駄で歩いてたら見知らぬご婦人に話しかけられ「草履も履く?要らない、草履」って言われたりしたからです。
日本の民族衣装なのに、夏の女子の浴衣以外、ほとんど見ない。
で、持ってる人も、「草履要らない?」って見知らぬ下駄女に聞くくらい、たんすの肥やしになっている。
もっとてきとーに着れたらこんなことになはならないのではないか。
ということで、てきとーに、綺麗じゃなく、「これでいいんだ!」って思われるようにしていきたいと思います。
てきとーに着たい方がいらっしゃったら、ぜひ吉房先生のアツい講座を受けて、小袖を着てみてください。で、可能だったら縫ってみてください。自分の着るものを自分で作れる喜びをぜひ!!先生は初心者の方にも分かりやすく教えてくださいます。
着物とか小袖の話は、多分また続きます。
自分の顔ではなく別のものを出そう・・・