ヒーリングライアーとライアーの質問について答えてみる

突然ですが、先日「これってライアーっていうんですよね、一度見てみたかったんです!」と言われました。
その現物が、これ。
タオライアー

すみません、これは確かにライアーではありますが、ライアーがこれという訳ではありません。
ライアーじゃなく無いんですが、ヒーリングに特化したライアーで、その中でもタオライアーという種類のものです。
これで、「曲とか弾いてみて」とかも言われたことがあるんですが、ヒーリングライアーでは、普通の曲は弾けません。

そのようなことを時々聞かれるので、この際、誤解を解くためにも、ブログに書いておくことにしました。

1.ヒーリングライアーはライアーの一部であってイコールじゃない
キネステやってると言葉と現実のずれが気になるので、世の中の人は気になってないかもしれないんですけど、実はこれがけっこう気になっています。
ライアーって言ったら、一般的には、木製の本体に金属の弦が張ってあって、音階がある楽器です。ハープとどこが違うのかというと、弦の素材(ハープの弦は現代ではナイロン弦がほとんどだと思う)と、弾き方が違います。ライアーの弦は、はじきません。じゃあどうするのかというと、なでるに近いです。
で、ヒーリングライアーは、素材と弾き方は一般的なライアーと同じですが、音階が無いです。音階が無い時点で、一般的なライアーとは別物です。
厳密に言うと、ライアーには、演奏用・ヒーリング用・子供用などがあって、木製のベースに金属の弦というのは共通だが細かいとこは違うよ、って感じでしょうか。

2.ヒーリングライアーでは基本的には曲は弾けない
ということで、ヒーリングライアーには音階がなくて、いくつかの音を取り出して、何オクターブかで響くようになっています。なので、普通の曲をひくことはできません。取り出した音のみを使うような曲であれば、練習すれば弾けないことはないです(例:レミソラシ(いわゆるペンタトニック)が何オクターブかあるヒーリングライアーで、レミソラシだけの曲を弾く)

3.ヒーリングライアーを作ったのはシュタイナーじゃない
厳密に言うとライアーを作ったのもシュタイナーじゃないそうですが(楽器のヒントを与えたのはシュタイナーだけど作ったのは違う方々)、まあそれはそれとして。
日本にたくさんあるヒーリングライアーのあれこれの主な考案者は、アンドレアス・レーマンさんというドイツの方です。素晴らしい方ですが、シュタイナーではありません。
タオライアーはシュタイナーが癒しの音階として述べたレミラシで作られてはいますが、その音しかないライアーを作ったのは、シュタイナーではありません(そもそもライアー自体が上記参照)。
ちなみにレーマンさん以外にも海外でヒーリングライアーを作っているライアー製作者の方はいるそうです。なので、ヒーリングライアーはレーマンさんだけが作ってるというのも、ちょっと違うかなあと。

4.木を切って金属弦を張ったらライアーって訳でもない
ここは人によって意見が分かれる所なんで、1~3と違って完全に私見です。
私が最初にライアー制作の指導を受けたのは福岡の井手さんです。今は違うかもしれませんが、井手さんの制作ワークは自由に形を作って良いよと言われつつ、図案へのダメ出しがありました。なんていうんですかね、あまりにも人間の意図的な形は却下されてました。たとえば、☆とか月とかです。人間が頭で考えるのではなくて、木がなりたい形を妨げない、みたいな。
なので、個人的には、ものすごく製作者の意図とか自我とかを載せたライアーは、「ライアー」というより、「ライアー?」と感じます。ライアーのライアーたる由縁が行方不明な気がしてしまう・・・
レーマンさんのとか、アウリスのみたいにラフが作ってあるものは、ラフの段階でシュタイナー精神に基づいて作られてるので、その後何してもそこまでかけ離れない気がするんですが。
・・・この辺はほとんどのかたには意味不明ですね、すみません。

そしてこれは余談
4.Q:ライアーヒーリングはしないんですか? A:しません。
施術のオマケで弾くとかイベントで弾くとかはあるかもですが、仕事としてのライアーヒーリングは、できないんで、しません。
ちゃんと完成したやつだけでヒーリングライアーを3.5台(全部制作ワークショップに参加して自作したもの)、そのほかのライアーを5台(うち2台は制作ワークショップに参加して自作したもの)を持っていますが、ライアーは趣味です。知れば知るほど、怖くて施術に使ったりなんかできません。
この辺も私の私見なので、使う人は使ったら良いと思うんですが、私の力量では、ライアーヒーリングで誰かの状態を悪くしちゃったら、ライアーヒーリングでは治せません。他の施術とかは全て一定期間のトレーニングを受けて、その時に「悪化するってそもそもどういうことか」とか「悪化しちゃったらどうするか」とかを学んだ上で、小さい失敗を沢山させてもらってリカバリーする経験をさせてもらってきたので、結果的にある程度までは悪くしない裏付けを持って施術しています。でも、ヒーリングライアーは、無理です。あれは、ごくごく少数のセンスのある人を除いては、人体への理解以外に、時間をかけた音楽的トレーニングが必要です。似たような感じで、私はオイルマッサージをするために、鍼灸マッサージの学校に行きました。自分には基礎的な解剖生理学そのほかの医学的知識が無いと、施術はできないと思ったからです。これもセンスのある人は要らないんだと思いますが、まあ、そんな感じで、自分の手に負えないことは、しないことにしています。


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