目を閉じる施術者さんの話(キネステの「感覚」という小概念に関連して)

キネステでは、動きをみるときに、「概念」という概念(?!)を使います。
何かをチェックしたり、考えたり、観察したりするときに、よりどころとなる指標があると楽ですよね。概念とは、動きについての、そういうものです。

さて、キネステで最初にやる概念に、「感覚」というものがあります。
キネステで扱う感覚は、視覚聴覚嗅覚触覚味覚のいわゆる五感と、「キネステティク感覚」と呼ぶ、第六の感覚です(よくいう第六感じゃないですよー)。それにまつわる話をひとつ。
昔、同じ方に関わっていた施術者さんの中で、施術の時に目を閉じる方がいてですね。あるとき、不満と疑問をお聞きしてたことがありました。
曰く、「マッサージしながら、寝てるんじゃないかしら」。
ごもっともでございますが、その施術者さんは、おそらく寝ていた訳ではありません(たま~には寝てたこともあるかもですが)。
誰しも覚えがあるかもですが、ある感覚が使えなくなると、他の感覚が代償しようとしてより繊細に情報を拾うようになります。突然まっくらなところに入ったら、手探りしたり、音のするほうに注意が向いたりしますよね?それです。
目をつぶる施術者さんはおそらく、目をつぶることによって、手の感覚をより感じたいと思ったのでしょう。
ですが、目をつぶると、手の感覚は鋭敏にするかもしれませんが、視覚から入る情報は得られなくなります。

私の師事したクラニオセイクラル・バイオダイナミクスの先生が昔、トレーニングであっても施術中に目を閉じないように、といいました。それを強く言うきっかけになったのは、先生が十数年前にとある大事故にあったかたの緊張の開放の施術をしていたときに、クライアントさんが音も立てずに泣いていたことがあったことからだそうです。
目を閉じれば、視覚以外の感覚は、確かに鋭く繊細に使えるようになるかもしれません。けれど、その代わりに本来受け取れるべき情報を故意に捨てるのは、ある意味本末転倒です。
先生には、「目を開けていても繊細で鋭敏な知覚を得るためにトレーニングがある。そのトレーニング中に、目を閉じてはいけません」と重ねて言われました。

私達は、持っている感覚を全て使ったとしても、備わっている能力の大半は使えていません。それならば、どうしても必要な場合でない限り、自分が持っている知覚を全て開いて使っていく方がよろしいのではないかと思います。
少なくとも、目を開いていれば、クライアントさんに「寝てるんじゃないの?!」と疑われることだけは避けられると思われます・・・。

 

※今日この画像が載っているのは、さんまパンじゃなくて「目」のため20160831_214211


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