「香害」と嗅覚(キネステティク・クラシック ネオ)

キネステティク・クラシック ネオの「感覚」の話の続きです。

キネクラネオで最初に学習をするのが「感覚」です。
動くためには感覚が必要です。キネクラネオでは、視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚以外に、動くために使う感覚として固有覚を取り上げます。

感覚というのは、個人的なものです。わかりやすい例を出すと「暑い」「寒い」は、個人個人で感じ方が違いますよね。湿度が高くて気温が25度くらいの事が多かった今年の東京の梅雨、私の周りには「暑い」という人と「ちょうどいい」という人と「肌寒い」という人が混在していました。湿度を「ひんやりする」と感じる人が「今日は肌寒い」と言っていたように思います。

ところで。
感覚の中で、嗅覚と、味覚の大部分(食感以外の「味」の部分)は、受容器に化学物質が接触し、脳がそれを知覚して処理することによって感じられます。化学物質が付着するだけでは感覚されないこともあるのです。特に嗅覚は、「鼻がバカになる」と言われるように、刺激への順応性が高く、香り続けていると感じ取れなくなるという性質があります。
ここで、最近言われている、いわゆる「香害」の話です。
感覚という面から見た問題を箇条書きにします。

・嗅覚は慣れると感じ取りにくくなる(=香りを身に着けた本人が、一番匂いの強さに気が付きにくくなる)
・感覚は個人差がある(=強弱を感じる感受性が人によって異なる、香りの成分を好ましいと感じるか嫌だと感じるかにも個人差がある)
・鼻は塞げない(嗅覚は生物の生死に関わりやすい感覚なので遮断しにくいようになっている)
・「香り」には「匂い」そのものの好悪の問題とは全く別に、その匂いの元になっている化学物質の人体への影響という問題を含んでいる(そしてその影響の感受性の強弱も個々人によって異なる)

他にもあるかもしれませんが、ざっと考えただけでもこれだけ有ります。

「私が好きで使っているんだから良いじゃない」では済まない影響を周りの誰かに与えている場合もある、ということです。
以前、強い香りの柔軟剤を好んで使っている知人が、室内で小さなペットを飼っていました。アロマテラピーの学習をすると、動物は人間とは代謝系が異なる為この成分の精油を使ってはいけないという物がいくつか出て来るのと、ダメとされていない精油でも体重比で濃度を考えて使うこと、という内容が出て来ます。
それに準じて考えると、香りの強い柔軟剤はペットに良い影響を与えるとは考えにくいです。知人のペットちゃんは原因不明の皮膚病があり、突然落ち着きを失って攻撃的になる事が有りました。それが柔軟剤のせいとは言い切れないのですが、私が居た堪れなくなる位の香りっぷりだったので、ペットさんにも何かしらの影響は有ったのではないかと今でも思います(当時言ってみましたが「これは安全なものですよ」と鼻で笑われました)。

アロマで使う精油も、なんでもなく使っていたのにある日突然アレルギー症状が出ることがあります。家族がある方は、家族全員が本当にその香りをぷんぷんさせたいと思っているのかどうか、よく考えてみてください。

香りは、趣味だけの問題ではありません。高濃度の化学物質です。「好き」で沢山使っている人が、いつの日か自分や家族の身体症状で香りの化学物質としての側面を思い知ることになりませんように、一考していただければと思います。

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