身体についての判断の学問的根拠を持つことについて

キネステティク・クラシック ネオの講座には、運動やボディワークなど、独自の身体理論を日々実践している方も、お越しになります。
そういう皆さんから時々「私達はこういう風に考えているのですが、キネステではどう考えるのですか?」と、聞かれることがあります。
そういう時、以前は「キネステではこういう風に解釈しています」と答えていました。
今は、ちょっと違います。
「現在の解剖学や生理学では、こういう理解をしています。なので、私達のキネステでは、こう考えています」と、答えています。
キネステでは、ではなく、学問的根拠に基づいて考えると、という答え方に変わったのは、今年、キネステティク・クラシックがネオ版に変わったことに伴う、大きな変化でした。

こういう考え方が正しい、こういう考え方は間違っている、という議論は、どういう風にも取れるものにしか、発生しません。
解剖学や生理学は、学問です。
キネステは、学問ではなく、学問に基づいて、学問を適用して実践するための、道具です(少なくとも、キネステティク・クラシック ネオの見解では、そうです)。
学問は「ああも取れるね、こうも取れるね、どっちでもいいね」ということは、あんまりありません。
今現在、暫定的にはこうであるとする、という、共通理解のベースをしっかり示します。
それが、時を経たら覆されることもあるでしょう。
でも、そういう変革が無い時も「こうも取れるね、ああも取れるね、どっちでも良いよね」というスタンスでは、信頼性が低すぎます。学問として成立しません。

キネステティク・クラシック ネオは、現時点での解剖学や生理学、進化発生学に基づいた内容に、今年、大きく書き換えられました。
キネステティク・クラシック ネオが絶対であるとは言いません。解剖学や生理学、進化発生学との整合性よりも、その部分は曖昧にしていても一見理解しやすいように説明する方が良いというのも、道具としてのキネステの、ひとつの考え方だからです。
ただ、受講生さんの疑問にお答えしたときに頂いたお返事をまとめたものを、こちらに書いておきたいと思います。

「いろいろな健康法が勧められていますが、それが本当に身体に良いのかどうか、疑問を持っていました。でも、キネステを学んで、それに対する答えが見つかりました。健康法を提唱している人に、今日学んだ解剖学や生理学的な説明を伝えて、その観点からどういう風に解釈したらいいかを聞いてみます。それで答えられないようなら、信憑性に疑問があるという事ですものね」

キネステティク・クラシック ネオが解剖学や生理学をベースにして、そこから外れることを認めないのは狭量であるということをいう方が、もしおられるとしたら。
この参加者さんの見識について、ぜひご意見を伺いたいと思います。
こういう、素直で鋭い見識を持ってご意見やご感想を下さる参加者さんに恵まれていることが、本当に有り難いと思います。
これからも、学問的根拠に基づいたキネステを、伝えていきたいと思います。


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