身近な人を介助するときのヒント・1 まずは「やり方」ではなく「在り方」

先日書いた、身近な人を介助することになった時のヒントのうち、あまり解説しなくても誤解が少なく伝わりやすそうなところだけ書いていきます。
最初にお断りしておきたいのですが、これは、介助するためのハウツーとかではありません。そういうのをご希望される場合は、本屋さんの介護コーナーをご覧になったほうが良いかもしれません。
じゃあ何を書いてるかというと、介助する人の関わり方で、介助を受ける人の状態が変わることがあるので、そういう感じの話と思っていただければ良いかと思います。いわば「やり方」ではなく、「在り方」です。
「病気」もそうですが、「介護」っていうと、健康に過ごしている人との間にものすごい隔たりがあるように思ってる人が結構居ると感じていますが、介護する側とされる側の間の距離は、現実には紙一重です。同じ生活人として、できることできないことがある、動くところ動かないところがある、感じること感じにくいことがある、という観点で、相手を自分とかけ離れた違う存在として、他人事として見ないということをお勧めしたいと思います。

・介助する人が楽なことが、介助を受ける人の楽に繋がります。自分の緊張度や床への重さのかかり方に無理が無いか時々チェックして、なるべく楽に動きます。
・・・自分はどうなってもいいからとか、自分は我慢できるから相手をなんとかしたいという自己犠牲の精神で介助をしている人が時々いらっしゃいますが、自分の我慢は相手にとっては迷惑になります。これは、気分的な問題ではなく、実際に具体的な影響が出る問題です。緊張している人に介助されると、介助を受ける側も体を緊張させる結果になります。これを読んでいる方、試しにちょっと肩に力を入れてマウスを動かすなりタッチパネルをスクロールするなりしてみてください。不必要な緊張をすると、動きにくくなりますよね。介助を受ける方も、同じです。

・介助する人を持ち上げない。
・・・すみません、後半にキネステ用語が入ってたので削りました。持ち上げないならどうしたら良いのかというと、普段自分が動いてるように人にも動いてもらう、それを手伝うという考え方をします。普段、持ち上がって動いて無いですよね。ベッドから起きるのに、横向きになって体を丸めてから、そのままえいやっと足を振り下ろして一気に上体を起こしてないですよね。
自分がされて嫌なことはしない、とよく言いますが、キネステでは、基本的に自分にできないことを人にしません。

・自分の身体や空間にある物などで介助を受ける人の動きの邪魔をしない。
・・・たとえば、いすから立つ介助のときに目の前に立って介助することがありますが、もしその姿勢で座っている人が自力で立とうとしたら、立とうとする過程で介助している人に頭突きしない限り、自力では立てません。目の前で動かずに立ちはだかって介助する人は邪魔者です。更にいうと、その場所に立って動かずに居ることは、「私は、あなたは自分一人では立てないと思っている」という、言葉ではなく態度による明確なメッセージです。

・介助を受ける人のペースに合わせる。
・・・当たり前じゃないかと思うかもしれませんが、意識せずに急かしていることがないですか。「はやくしなさい」と子供に言うのと同じで、言わずに済むなら言わないで待つほうが本人の動きは楽になります。なぜなら急かされると緊張するからです。

以上、四個書きました。
ほんとに介助者の動きが相手に影響するのか疑わしいわ、と言うかた、良かったら実際に体験しにいらしてください。
今日13日の14時~17時も、秋葉原で体験会(兼、パーソナルレベルユニット1)があります。体験会に行くほどじゃないけど見学したいというかたは、一部だけなら見学可能です。お問い合わせからお気軽にご連絡ください。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です