宇宙飛行士がすぐ立てない最大の理由は筋力低下じゃなかった話

宇宙飛行士、大西さんが、地球に帰還されました。

screenshot_2016-10-31-07-17-53-1

(画像は朝日新聞デジタルより引用)。

みなさん、宇宙飛行士の方が地球に帰還してすぐ立てなくて、抱えられてる図とか見たことありますよね。
あれ、筋力低下のせいだと思ってませんか。
私も少し前までそう思ってました。
でも、星出さんだったかな、筋力低下を防ぐ実験をしてた方が居て、帰還直後に地上に降りるときはわりとしっかりされてた方がいたんですよ(その後の移動の時は抱えられてたけど)。
だけど、いまだに宇宙飛行士は抱えられて移動してますよね。筋力低下の実験が効果的だったなら、その後宇宙で取り入れられてるはず。
筋力低下はなんとかなるなら、無重力の環境で、なにが、弱ってるのか。
以下引用が長いので先に答えを書きますが、無重力だと、固有覚と前庭覚等の動きの感覚であるキネステティク感覚(の中でも、主に内耳の前庭器官による平衡感覚)が弱るんです。

どんだけ弱ってどんだけ大変なのかは、以下の古川宇宙飛行士による連続ツイートの引用をご覧ください。鍛えてる宇宙飛行士でもこうなんだから、無重力じゃないとはいえ重さのかかり方が不安定なエアマットに寝ている人はどうなるんでしょうね。

古川聡 Satoshi Furukawa @Astro_Satoshi 2011-11-26 09:35:08
おかげさまで無事帰還しました。応援ありがとうございました。

2011-11-26 09:37:12
昨日11月24日はアメリカでは感謝祭でした。私にとっては、応援してくれた全ての皆さんに感謝する日でもありました。では、帰還後の身体の変化について簡単にご報告します。

2011-11-26 09:40:29
地球帰還当日、気分は最高だが身体はまるで軟体動物のよう。身体の重心がどこだか全く分からず、立っていられない、歩けない。平衡感覚がわからず、下を見ると頭がくらくらして気分が悪くなる。歩くつもりで足を出すが、太腿が思っているほど上がっておらずつまずく。

2011-11-27 08:04:47
ドクターの観点から。重力は、耳の奥にある前庭という部分で感知される。前庭がすっかり無重量環境に慣れてしまったため、再び重力に適応するための過程だったのであろう。

2011-11-27 08:07:10
無重量環境では、自分の脚の重さを考えないでよいので、わずかな力で脚を上げることができた。地上でも脳は、わずかに脚の筋肉を動かすことで歩けると判断して指令を出した。しかし、地上では太腿はほとんど上がっておらずつまずきやすかったものと推測。

2011-11-28 10:07:40
着陸当日の続き。とにかく身体、特に頭が重い。頭の存在を強く意識し、首の筋肉を使って頭を支えているという感覚が強くある。

2011-11-28 10:10:11
寝ていても座っていても、おしりなど身体の重みが一番かかる下になっている部分がとても痛い。なんとかしてって感じ。

2011-11-28 10:26:49
物の重さが、宇宙へ行く前の感覚の2倍くらいに感じる(紙、鉛筆、手帳、携帯電話など)。

2011-11-29 12:02:39
帰還日+1日目。朝から下を向いても気持ち悪くなくなった。身体はまだ重く、やわらかい椅子に5分間座っていただけでおしりが痛くなる。だいぶ普通に歩けるようになった。無重力でなくなったしわがしっかり戻っているのを鏡で確認。

2011-11-29 12:04:45
帰還日+2日目。おしりの痛みはまだ続いているが、座っていられる時間がだいぶ延びた。地上での生活に戻りつつある自分を感じる。

2011-11-30 12:58:19
飛行後のリハビリは、バランス感覚を取り戻すことに主眼が置かれている。筋力は、バーベルを上げたりする良い運動機器が現在の宇宙ステーションにあるおかげで、比較的良く保たれているから。

2011-11-30 13:00:19
Medicine ballと呼ばれるボールを使ったりして、全身のスムーズな協調運動回復を目指す。飛行前と比べて最初はぎこちなかった身体の動きが、日を追うごとに滑らかになってゆく。

2011-12-06 10:47:23
飛行後のリハビリ継続中。バランス良くスムーズに歩けるようになったが、走るとまだ違和感あり。飛行前と比べ、身体が重く感じる。車の運転も開始。

ツイートの引用は、以上です。
ところで、宇宙飛行士と似たようなことが加齢によって誰にでも起こり得るってご存知ですか?
筋力も低下しますけど、動くための「重さの感覚」を感じる事が鈍くなったり、他の感覚と重さの感覚の連動が下手になったりします。
それは宇宙飛行士のリハビリのようにトレーニングである程度コントロールできますが、トレーニングするに時間のかかる能力です。宇宙飛行士のリハビリでも、最も時間のかかるものとして挙げられてますよね。
そのトレーニングは、筋トレではありません。
感覚を上手く使えるようにするトレーニングです。
キネステティク・クラシック ネオでは、それを提供しています。

どんなものか体感してみたいかたは、体験会にお越しください。三時間、五千円ちょっとで、一生役立つ「重さの感覚」のトレーニングを体験できますよ。
最新の予定はこちらから。
お問い合わせは、こちらからどうぞ。

お名前(必須)* 
メールアドレス(必須)* 
お電話番号  - -
ご用件(必須)*


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です