【キネステで種明かし】背中が鉄板みたいに固い気がする人へ

背中が鉄板みたいに固い気がする人っていうか固い人について、一つ前のブログで実験をお願いしました。
ざっくり言うと、腕を動かして肩甲骨が動く動画を見て、同じように動かしてくださいという内容です。
この内容の中には、キネステの概念の応用がいくつか詰まっています。
そのことについて説明します。

動画を見て背中が軽くなった人も居ました。お役に立って、よかったよかった。
でも、なんででしょう。
動画を見て動かすのと、ただ肩を回すのと、どこが違うのか。

人は、感覚で捉えられないものは、意識しにくいです。
っていうか極論を言えば感覚で捉えられなければ、無いのと同じです。
今これを読んでいるあなたの見えないところで、手の届くところに、一万円札が落ちています。でも、見えなかったら、無いのと同じ。年末に大掃除をしてお札を見つけたら、臨時収入が入ったような、得した気分になることでしょう。いや、それ自分が以前行方不明にしたお札だから。と少しは思うかもしれませんが、それでもラッキー!!と、思ってしまうのではないでしょうか。そのように、見えなかったもの=感覚で捉えられなかったものは、無かったのと同じということになりやすい訳です。
無かったことになっていないとしても、誤解が生じていたりすることも。肩甲骨って背中にくっついてて動かないと思っていました、と、時々言われたりします。その誤解も、見えないから生じやすいし、見えないから正されにくいんです。

ということで、背中です。
直接、見えませんね?(見えたとしても、写真か鏡越しですね)
背中の骨、っていうか、骨全般。
直接、見えませんね?(上に皮膚がかぶさってますね)
以上のように、背中の骨は、視覚では捉えられません。
視覚以外の感覚だと、キネステ的には嗅覚・聴覚・味覚・触覚・キネステティク感覚がありますが、この中で自分の背中の骨の存在を捉えられそうなのは、触覚かキネステティク感覚だけです。
ですが、触覚は、キネステでは、温度覚と痛覚、皮膚表面の触ってる触ってないくらいのとこまでを言うので、骨の存在感を感じるとか、骨が動いてるのを感じるとかは、キネステティク感覚のお仕事になります(この二つの違いについて書くと長くなるので略)。
なので、上に書いた視覚以外で骨の存在とか骨が動いているとかを知る方法として、キネステティク感覚を使うことができます。

視覚を使う方法は、前のブログに書いた、「骨が動くモデル(動画でも、模型でも)を見ながら自分の骨を動かす」ですが、キネステティク感覚を使う方法は、以下のようになります。
そして、視覚を使うときに必要だったのは動く骨のモデルですが、キネステティク感覚を使うときは、よっぽどなれている人以外は、外部から的確な圧をかけてくれる何かが必要です。視覚でも入力するための見るものが必要だった様に、キネステティク感覚でも入力するための圧が必要だからです。圧をかける何かとして、一番ふさわしいのは、人間です。ということで、やる前に、誰か他の人を用意してください(用意って)

1.腕を動かして、自分の背中の動きを確認しておく
2.左右どちらかの肩甲骨の縁を一周触ってもらって、肩甲骨の存在をキネステティク感覚で確認する
3.2と同じ側の肩甲骨全体を触ってもらいながら(手のひらを軽く当てておいて貰うと良い)、肩関節を屈曲・伸展・外転・内転・外旋・内旋などなど、あちこちに動かす
4.左右の違いを確認する
5.もう片方もやりたいようならやる

これらをやるときは、ゆっくりやってください。早いと感覚が付いていけない場合があります。

感覚には人によってどれが得意か不得意かという差があるので、これは個人的見解になりますが、一般的にはキネステティク感覚の方が分かりやすいと思います。
理由は、視覚はキネステ用語で言うと対話的インタラクションになるので、「あーこう動くのねーだからこう動かすのねーそうするとこう動くのねー」みたいに、目から入った情報と動きの間に時間差が生じるからです。
接触を感じるのは、キネステ用語で言うと同時性双方向性インタラクションになるので、触ってると動いてるの間に時間差がほとんど生じません(ついでに言うと、動かして無くても触ってるほうの人の背中に変化が生じる可能性まであるのですが、それは今度コースの中ででも実験してみます)。
もちろん、両方使ったほうがいいので、動画を見てから誰かに触ってもらう方がより良いかもしれません(あ、動画を見ながら誰かに触ってもらうのはダメです。理由は長くなるので略)。

ということで、感覚があるかないかというのは、動きにものすごい差を生じます。意識に上っていなくても、体や脳が認識していることは、動きの結果に関わってきます。この考え方は施術するときも使ったりしています。そういうときは、キネステティク感覚と視覚だけではなくて、可能なら聴覚も使っています。どうやって使うのか、上に書いた視覚の使い方と、キネステティク感覚の使い方から、推測してみてください。
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