「ひとりで勝手に動かないで」と、言う前に

最近のキネステのご相談から。ご自宅での、ベッドからポータブルトイレに移っての排泄を介助されている方。
「介助が待てなくてひとりでトイレに移って途中で転んでしまって、思わず『ひとりで勝手に動かないでよ!』と言ってしまいました」とのこと。
言いたくなりますよね。転んで怪我をして欲しくなくて、一生懸命介助してるんですから。でも、ご自分でトイレに行きたい気持ちも分かります。排泄は個人の尊厳に大きく関わることなので、自分で出来るならしたいというのは人情ですよね。

・・・と、ここで、疑問が湧きました。
「トイレの、どの段階で転ばれたんですか?」
「どの?・・・えーっと、移って、トイレは済ませて、えーっと・・・あれ?」

よくよく伺ってみると、こんな感じらしい。
○ベッドからトイレに移る
○ズボンと下着を下ろす
○排泄
○お尻を拭く
?(ここが×かも?)ズボンを上げる
△(やってないから)トイレからベッドに戻る

上の、○は出来ていた(らしい)ところ、?は不明、△はそこまで行かなかったからできるかわからないところです。
どうやら、ズボンを上げるか上げないかの段階で転ばれたよう。
このように、「ベッドからポータブルトイレに移っての排泄」とひとくちに言っても、動きを細かく分けると、上で書いたような段階に分けることが出来ます。
日常ポータブルトイレを使っている方の中では、この全部がむずかしいという方は、少ないです(全部が難しい方は、他の方法で排泄している方が多い)。
この方で言うと、ズボンを上げる、が難しく、そこで転んでしまったようです。
ということは、そこを手伝うか、そこのやり方を転びにくい方法に変える提案をしてみれば、もしかしたら「ひとりで勝手に動」けるかもしれません。
何か一連の動作の中で部分的に難しいところがあるのに、「ひとりで勝手に動かないで(私が心配だから)」というのは、他のできる動作全てをその方から取り上げることになります。
そういうことをしておいて、「動かないところがでてきた」「寝てばかりいる」「身体が固くなってきた」というのは、矛盾しています。
できることはしてもらい、できないところに必要なだけ援助をする方法を、キネステでは考えます。
一見、時間がかかりそうですが、その時間は介助する人とされる人の日常生活の質を保つために必要な時間です。
介助しながらリハビリもできて一石二鳥、と思ってみてはいかがでしょう。

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